本記事は2025年7月22日に執筆しています。
情報もその当時のものとなります事ご了承ください。
おはようございます。管理人のあずるです。皆さん如何お過ごしでしょうか?
参院選の投開票を終え、混沌とした政治体制に移行しそうですが、夏の様相は選挙前と何ら変わらず猛烈な熱波を浴びせてくる今日この頃。私の職場である、船の機関室は所によって気温が体温を超え、適宜休憩を取らないと熱中症でくたばりかねません。
皆さんも水分補給、塩分補給そして十分な睡眠時間をしっかり意識して過ごしてほしいと願っています。
さて、前置きは程々して話を本題に移しましょう。今日は作者自らが推薦してくれた作品を紹介したいと思います。
当ブログのレビュー第二作目。この作品が皆さんにしっかり届いたら良いなと思いつつ、記事を書いていきたいと思います。
好きなジャンルはハイファンタジーとVRMMO。
無双チートは余り好きではない30歳男性がお届けします。
作品情報
タイトル
【ボーイミーツガール & ハイファンタジー!】君を探して 白羽根の聖女と封じの炎

作者(敬称略)
芋つき蛮族
あらすじ
旅をしよう、少年少女と幻獣で。
この世の果てまで旅をしよう。
毎日16:03~16:10間更新。
バディ要素・成長要素あり。
転移転生・チート・ざまぁ・ハーレムなし。
救国の英雄である魔女を師に持つ、少年フラム。
術法的不能を抱えながらも一人前の魔術士を目指し修行を続けていた彼は、ある日破門となり、生まれ育った森を彷徨うこととなる。
そんな中、フラムは『自分そっくりの魔物』を探し求める神殿従士の少女フェレシーラと出会い、紆余曲折を経て行動を共にし始める。
「行きましょう、フラム。貴方は私と旅に出るの」
その言葉に誘われて彼は自身に秘められた謎と、その意味を求めて外の世界へと旅立ってゆく。
きっと必ず、ここに戻ってこようと誓いながら……
少年少女と一匹で、共に歩む心の旅。
ハッピーエンドに向けてがんばります!
ブクマ・評価ありがとうございます! 更新の励みになります!
Nコード
N0426KM
掲載開始日
2025年5月14日
文字数
全333エピソード(十二章更新中)
1,042,446文字
カクヨムにも掲載されています。

レビュー
注意事項
”二章”(52Ep”番外編2”)までの内容でレビューを書いていきます。
ネタバレが絶対に嫌な人はレビューを見ずに作品を読みに行ってください。
ネタバレあらすじ
人類の歴史は魔人との戦いの歴史。そう称されるほど古から魔人から定期的に侵略を受ける人類。毎回なんとか防衛に成功していました。
ただ、作品が始まる時間から見て前回の侵略は隙を付かれたことも有り、魔人に一つの国を奪われ、魔人による侵略の拠点が作られる事態になってしまったのです。
そんな状況で魔人に奪われた国を武力にて取り戻す魔女が現れます。その魔女によって魔人は撤退を余儀なくされ、人類は一時の平和を得ることが出来ました。
それを成し遂げた彼女を『煌炎の魔女』と称し、英雄として称えることになったのです。
さて、そんな偉業を果たした彼女はあることを望みます。それは人里離れた魔境である古代樹の中に居を構え隠棲することでした。
そうして彼女は自分が望む場所に居を構え、母親を失い孤児となった赤子の主人公「フラム」との生活が始まるのでした。
主人公のフラムが推定15歳になるぐらいまで時間は進みます。
フラムは煌炎の魔女マルゼス・フレイミングに育てられながら、弟子として魔術の特訓を受ける日々を過ごしていました。そんなある日、彼は師であるマルぜスに告げられます。
――フラム・アルバレット。今日をもってあなたを破門に処します
彼は破門を言い渡された原因を理解できていました。それはある約束があったからです。
十五歳の誕生日を迎えるまでに、師に認められるだけの腕前を身に付ける。
この約束を果たせなかった。そうして彼は自分の生まれ育った家を去ることになります。
傷心で歩くフラムは森の参道でフェレシーラと名乗る少女と出会い、襲われてしまう。その理由は村人を襲う魔物と見た目が瓜二つだったからだったのです。
戦闘中の受け答えから魔物では無いと判断したフェレシーラは襲い掛かったことをフラムに謝罪し、その魔物と間違われて殺されないように近くの村には立ち寄らないように助言します。
ただ、フラムは自分の身の潔白を証明したいと魔物討伐の協力を願い出ます。
そうしてフラムとフェレシーラは一緒に村人を襲っている魔物に出かけることになりました。
ネタバレあらすじはここまでにしておきます。この先はぜひ本作を読んでみてください。
主人公のフラムと師匠のマルゼスの関係性
主人公が破門あるいは追放から始まる話は沢山あります。私自身も沢山読んだことあります。
なので、あらすじを見た時に「あぁこのパターンね」って思ったんです。ただ、実際に読んだら認識変わりました。
なぜなら、追放されるフラムと追放したマルゼスの関係性を随所に描かれていることで
- マルゼスは自分の子供の様にフラムを一生懸命育ててた。
- フラムも師匠のマルゼスを慕って出来る限り努力していた。
ということは、しっかり理解できる。そしてフラムが特異体質を持っていることをチラッと小出しに提示することで、読んでいる私は
きっとマルゼスは特異体質が原因で破門を言い渡したんだろうが、その理由は何でだ?
と気になってしまい、作品を読みふけることになりました。
追放系の多くの作品は追放あるいは破門を言い渡される理由が物語序盤で明かされます。そうして、”それは勘違いでした”ってパターンがだと思うのですが、本作は破門される明確な理由は明かされていない。(もしかしたら約束が本当な理由なのかもしれないですが…)
なので私は物語が進んでいくことでフラムの体質が明らかになっていくことで、破門された理由が明らかになるのを楽しみに推測して読み進めます。
せっかくなのでフラムとマルゼスが描かれている私が好きなエピソードを紹介したいと思います。
39. 夢より覚めて
フラムが回想するシーン。一部作品から引用しています。
幼い頃は、鳥が好きだった。
https://ncode.syosetu.com/n0426km/44/
大空を自由に、どこまでも飛んで行く鳥たち。
その姿に俺は憧れていた。
窓から二人で見上げる、師匠に抱えられながら見る鳥たちが大好きだった。
初めてみる鳥を目にするたび、俺は師匠にその名を尋ねた記憶がある。
https://ncode.syosetu.com/n0426km/44/
彼女はその都度、真新しい本を片手に事細かに教えてくれていた。
まだ幼かった俺は、夢中になってそれに聞き入っていたものだ。
この”真新しい本”っていうのが良い。好きです。彼女はきっと今まで鳥の事なんて興味なかったんです。少なくとも本で調べるほどでは無かった。
だけど鳥が好きなフラムの為にわざわざ本を取り寄せて、聞かれたら直ぐに答えられるように読み込んでいるんです。その情景を思い浮かべて暖かい気持ちになります。
初めて見る珍しい鳥の名を尋ねた際などは、急に「雨が降りそうだから」と言って俺を部屋に連れ戻していたりもしたが……
https://ncode.syosetu.com/n0426km/44/
その直後に、それまで青々と晴れ渡っていた空が急に雷雲に包まれ大荒れとなり、雨が止むのを待ち疲れて眠りこけてしまい、目が覚めればまた晴れ空になっていただとか。
思い返してみれば、相当に露骨だ。
しかもその後決まって都合よく、答えられなかった鳥の名を教えてくるのだから……
手元の本で直ぐに答えられない鳥を聞かれたとき、きっと彼女は大いに焦ったのでしょう。それでも彼に知らないと言えない彼女は強引な手段で時間稼ぎを行います。
そんな師匠と子供の関係が描かれた、この話が私は好きです。
表現が好み
情景や現象の表現がかなり好き。先の”真新しい本”もそうだが、その状況が想像してて楽しい表現が多々あります。印象として書くときに言い回しは意識しているんじゃないかと思います。
今まで読んでる中(Ep105)で一番好きな表現は、
フラムがフェレシーラに神殿従士となった理由を聞くシーン。
その理由を聞くことになった経緯と少し前に迷惑をかけたことから負い目があり、お風呂上りの彼女の髪を拭きながら会話は進みます。
そうして彼女は神殿従士になった理由を話すことで初心を思い出し、すっきりした気持ちになります。
この状況で書かれているのが、これ。最初見た時にズッキュンと来ました。
先程よりも幾分は晴れやかとなってくれたフェレシーラを前に、俺は湿っぽさを肩代わりしてくれたタオルを重ね集める。
https://ncode.syosetu.com/n0426km/98/
”湿っぽさを肩代わりしてくれたタオル”この部分です。タオルを集める動作の描写だけで「フェレシーラの憂鬱さ」と「フラムの負い目」の両方が晴れたことが分かる。そして、その事をフラムが安堵し喜んでいることが伝わります。
この作品はところどころに私が好きな表現が散りばめられています。この先も楽しみです。
気になった点
読んでいて良くなかった点を述べさせてもらおうかなと。
この項目を書くか結構迷ったのですが、本音のレビューの方が価値があるかと思いましたので書かせていただこうと思います。
あくまで個人的な感想ですので悪しからず(ここまで全てそうですが改めて意思表示)
序盤読みにくい箇所がある。
この作品、専門用語がちょくちょくあります。たとえば「アトマ」。これは大方ですが多くの作品で使われる”魔力”のような物で、アトマに慣れるまで脳内で「アトマ…あぁ魔力みたいなやつね」とイマイチ没頭できない要素だった。
術法の作動理由、霊銀と呼ばれる金属など物語に深く関わりちょくちょく出てくるコイツ等を覚えるまでは、読んでいて引っ掛かり読み疲れてしまった点はあります。
あと、最初の方は作者さんの書き方に私が慣れていなく、読んでいて「?」となる箇所が有り、それを理解するのに何度か同じ個所を読み直すということもありました。
ただ、こういった点は最初の方だけで途中からは何ら引っ掛かることなく没頭できたことを、ここに記しておきます。
主人公のフラムが子供っぽくて少し…
フラムが少し子供っぽくて私は要所要所で気になります。何回行っても一人で突っかかるし、突然泣くしで全く感情移入が出来ません。私が感じるより強い感情をフラムが感じてて、それに伴って行動するからビックリする展開が何個かありました。
おおむね良いキャラだと思うんですが、たまに引っ掛かる。
ただ、15歳のキャラだからこんな感じなのかな~と思う30歳の私。
偽りなくこれが私の本音です。
結び
ここまで読んでいただきありがとうございます。
作者自ら推薦してくれた本作品。実は推薦してくれる前にXにて本作を発見し、あらすじを見た時点で「面白そうだな」と思いブックマークした一作でした。
結果、しっかり読みごたえがあり、このブログ開設して良かったなぁと既に感じた出会いでした。
かなり本格的なハイファンタジーの本作。ぜひ読んでみてください!
作者様のXアカウントはこちらです。
イメージ画像やイメージ音楽も多々紹介されてます!ぜひフォローして見てみてください。作品の造形が深まるかも?
個人的な評価(全作品統一)
没入感 | 表現や言い回しが優れていて情景が浮かんでよい。ただ、読んでて疲れるときがある。 |
ボリューム | かなり大作になりそうな感じ。Ep100ぐらいだけど物語の時間はそれほど進んでない。随所にちりばめられている伏線は全く回収してないし、完結まで結構なボリュームになりそう? |
構成 | 破門を言い渡された原因を探りつつ、主人公たちの成長と関係の構築が見れる。物語進行で気になるところはない。 |
キャラクターの魅力 | 主人公がちょっと心から「好き!」とは言えないです…ごめんなさい。けど師匠とフラムの関係は大好きです。 |
更新ペース | 毎日更新中。5/14日から投稿初めて2か月ちょっとでEp333まで投稿してるのは凄い。 |
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